HSPは、幼いころから、人の心の中で育つものです。
HSPは基本的に後天性のものではなく、ほぼ先天性のものです。
だからこそ、小さなころから自分が「HSPである」ということに気づくことができず、
苦しみ、うつ病などになってしまうのだと思います。
なぜ、他人と同じようなことが苦手なのだろうか、
なんで、私にはこんなことすらも簡単にこなせないのだろうか。
そうやって、自分をどんどん絶望へと引きずり込んでしまう。
そんなことも起きてしまうのです。

しかし、私自身、そして多くの「HSP」や「コミュ障」を自覚してらっしゃる方々が、
共通したたった一つの解決法を見つけていますので、ここでまとめて書いてみたいと思います。
必要なのは「認める」こと
HSPは、「障害」とは言いにくいレベルの個性なので、
「努力すれば治すことができる」と考えている方が非常に多いです。
もちろん、努力して改善できる部分もあるでしょうし、
なんの努力もしないよりはマシだとは思いますが、基本的には完全に治ることはないものだと思った方がいいと思います。
さらっと書きましたが、HSPは個性です。
大多数の部分を「普通」と定義してしまうから、
それ以外が「異常」と捉えられてしまうのですが、
「普通」という定義を外してしまえば、すべてが「個性」になります。
例えば、障害者の方で、左腕がなかったとしても、
「腕が2本あって、足が2本あって、頭が1つあるのが普通の人間」という定義をしなければ
それは、「左腕がない」という個性にしかすぎません。
HSPであったり、コミュニケーションが苦手だったとしても、
それは、悪いことではなく単なる個性なのです。
身長が160cmの人が、180cmに伸ばす行為がほぼ不可能であるように、
HSPの人が他の人たちと全く同じような感覚になろうと思うこと自体、
ほとんど不可能なのです。
しかしそれを悪いこととして捉えるのではなく、
単なる個性の一つであると「認める」ことがたった一つでシンプルかつ多くの人が実践している解決法です。
良い悪いではなく、まずはとりあえず「そういうもの」として捉えてみる。
それが必要なのです。
生きづらさは「心」のせいでも「あなた」のせいでもない
前回の記事でもお伝えしましたが、
HSPは病気でもありませんし、「心の弱さ」のせいでもありません。

HSPが生きづらい世の中なのは、
HSPという情報を特に多く集められるという特性があるからです。
HSPは Highly Sensitive Personの略です。
日本語に直せば、「とても敏感な人」という意味ですが、
敏感になれるほど多くの情報を受け取れるという個性の裏返しなのです。
それを証明するように、HSPの提唱者であるエレイン・N. アーロン氏は著書の中でこう記しています。
たいていの人は、部屋に入ると、家具やそこにいる人に目がいく。せいぜいそれくらいしか気づかない。ところが、HSPは一瞬にして、自分がそこにいたいかどうか、その場の雰囲気は自分に友好的か敵対的か、空気は新鮮かよどんでいるか、花を活けた人はどんな人柄かなどということまでを察してしまう。
もしあなたがHSPで自然にこういうことを察知していても、それが特別な能力だとは思っていないだろう。自分の中で起こっていることは他人と比較できないからだ。あなたが気づくのは、自分は他の人よりもいろんなことに耐えられない、ということだけ。
出典 エレイン・N. アーロン(2000).『ささいなことにもすぐに「動揺」してしまうあなたへ。』講談社
幼いころからHSPである僕が感じてきたことは、
みんな平等に感じているものだと思っていたのですが、
HSPではない人には、同じようには感じられないと知った時とても驚きました。
HSPは人口の中の20%程しかいません。
逆に言えば、MAXでも5人に1人しか同じようには感じられないのです。
みんなと同じ状況にいるのに、自分だけ不快感を感じてしまうのは、
僕の心の弱さでも我慢できない性格のせいでもなく、
まずもって他人と感覚が違ったというところにあるのです。
もちろんこれは僕だけではなく、
HSPであるあなたにも言えることです。
HSPが生きづらいのは、あなたのせいではありません。
生きづらさを取り除くためにするべきこと
HSPはどうしても、多くの情報を受け取るため、
日常生活のなんでもないタイミングでも不快感を感じてしまいます。
それは仕方ないことです。
そして生きづらさを感じにくくする、克服するための秘訣もここにあります。
冒頭にも書きましたが、
「認めること」がまず唯一の方法です。
そして、「認めること」ができたら、「受け入れてみる」
私はこんな感じだけど、それでもいいんだ
となってくると、とりあえずぐっと楽になります。
HSPの人は周りの状況がよく見えてしまうので、
●●ができなければならない
××はこういうものなんだ
という思考に陥りがちですが、それこそが苦しんでしまう原因なのです。
周りと比べずに、どれほど自分のことを認めてあげられるのか。
HSPであることを受け入れること、他人と違うことを受け入れることは、
「現実からの逃げ」と捉えがちですが、そうではなく、
今の世の中で最も自分が生きやすい形はどうかと探る第一歩なのです。
まとめ
- 生きづらさを克服するにはまず、HSPである自分を認めること
- HSPを正しく認識すること(自分のせいではないということ)
- HSPを認めた後に、「受け入れる」こと
この3つが、HSPがもっと生きやすい人生になる第一歩です。
HSPは個性です。
まずは自分の個性に目を向けてみましょう!!
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